2017年11月10日金曜日

PHILE WEB ATH-M50x レビュー記事~3~

Goh Hotodaさん&NOKKOさんが語る「ATH-M50x」ー オーディオテクニカが担う“音の入口と出口”

 レビュー第3弾です!
音楽プロデューサー/ミックスエンジニアのGoh Hotodaさん、さらにHotodaさんの奥様、レベッカのボーカリストのNOKKOさんです。

以下 抜粋

---Hotoda氏は「音楽の“出口”と言えるヘッドホンを語るためには、音の“入り口”であるマイクについて語ることは避けられない」と言う。

Hotodaさん
時代が求める音を録るためには、いわゆるビンテージのような古い機材では力が足りないのです。新しい機材だから優れているということではありません。ビンテージのマイクは、テープレコーダーやアナログコンソールなど当時の機材と組み合わせることを前提に作られているわけです。一方で今は96kHz/24bitなどのハイレゾで録音することが前提となっていて、ストリーミングに向けたマスタリングまで想定しなくてはいけません。そうなると、ビンテージのマイクでは求められる音にするのが難しくなってしまうのです。

Hotodaさん 
ATH-M50xはまず帯域バランスが非常に優れていて、音に虚飾がありません。ローもしっかりと出ています。
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オーディオテクニカのマイクとは、音の広がりやクセのなさという点で共通した傾向を備えていると感じました。奥行き感もしっかりと再現してくれます。
また、リバーブの減衰がしっかりと聴こえるという点も優れています。どこでリバーブがなくなるのか、フェードアウトのときにどこから無音になるのかを、しっかりと把握できました。

Hotodaさん
このヘッドホンは音のタイミングの再現が優れていて、タイミングのズレを判断するのに適しています。音がふわりとしたヘッドホンだと聞き逃してしまうような、音のタイミングのズレがわかりやすいのです。ですから、打ち込みで音楽を作っているという方にも使いやすいでしょう。

Hotodaさん 
アンサンブルの中からギターだけを聴いてみようとか、そういう使い方も面白いと思います。こういう聴き方はモニターヘッドホンでなければ難しいです。

NOKKOさん 
とても素直な音のヘッドホンだと思いました。ボーカル録りをする場合に、音が素直かどうかというのはとても大切で、このヘッドホンのように帯域の上から下までを自然に再現してくれることはありがたいです。例えばモニターからハイが実際よりもたくさん返ってくると、自分としてはもっとハイを出したいのに、体が無意識にリミッターをかけてしまうということがあります。ATH-M50xではそういったこともありませんでした。
Hotodaさん 
そこがモニターヘッドホンと鑑賞用のヘッドホンの大きな違いだと思います。モニターヘッドホンは自分が歌ったり演奏したりする音が違和感なく再生できなくてはいけません。それが鑑賞用のヘッドホンだと、リスニング用の音として加工されて戻ってくるのですから、そこが大きな違いと言えます。鑑賞用のヘッドホンでは歌えないでしょう?
NOKKOさん 
難しいですね。マイクもそうなのですが、人工的に煌びやかさが加わると、自分が歌っても歌ってもその音に吸い込まれてしまうような、自分の声が違う音に混ざってしまうような感覚になってしまうのです。歌うときのモニターは、声がマイクのなかを擦れながら入っていくのが聴こえるような音が理想的です。ATH-M50xを使ってボーカルを収録したときも、その感覚を体感することができました。


NOKKOさん 
音楽を私たち作り手と同じようにモニターヘッドホンで聴いていただけるなら、ある意味でそれは究極の趣味と言えますね。

Hotodaさん
ATH-M50xは一般的なモニター環境でも音の粗がよくわかりますが、良いヘッドホンアンプを組み合わせるとディテールがものすごく出てきます。ヘッドホンが好きな方ならそのあたりの使いこなしも面白いのではないでしょうか。

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